ちょっと面白そうな本が発売されます。
SNSや動画サービスなどを題材として、ニヒリズムの観点からテクノロジーと人間の関係について考察した、挑戦的「思想実験」の書なのだそうで、オランダで応用哲学を研究するノーレン・ガーツ氏が、ニーチェが分析したニヒリズムの観点から、テクノロジーと人間の関係を読み解いた1冊となっています。
FacebookやTwitter、YouTube、Netflix、Google、Uber、Pokemon GOなどの人気サービスや、その背景にあるARやVR、アルゴリズム、AIなどのテクノロジーが、どのように人を虚無(ニヒリズム)へ導くかを解説しているのだそうで、テクノロジーへの批判的な視線から、人類がどのようにテクノロジーと共生していくべきなのか?を考えさせてくれる1冊となっているようで、ちょっと面白そうじゃないですか?
定価2,970円と決して安くはありませんが、ニーチェの哲学・思想を学びたいけど、いきなりは難しいと挫折した経験があれば、これをきっかけに、再びニーチェを読み直してみてもいいかもしれませんね。
ニーチェが分析していたのはテクノロジーではなく、道徳や宗教とニヒリズムの関係だが、この分析はテクノロジーにも当てはまる。
私たちは、テクノロジーを通じて倫理的な目標を追求している。テクノロジーはユーザーの信仰を育み、ユーザーの献身を引き出している。こうした構図から、テクノロジーにニーチェの哲学・思想が当てはまると確信した。
もう少し一般化して言うと、ニーチェが問題視していたのは、「キリスト教道徳の世界」と、現代の「テクノロジーがモラルに影響を与える世界」に共通する「問題解決の思考」の中心にある、生を否定するニヒリズムなのである。
本書はニーチェの思想に対する新たな解釈を探るものではない。
人とテクノロジーの関係について、ニーチェの哲学をヒントに、その優れた批判的視点を養うことを目指したものだ。
この本は学術面でも文化面でも、対象とするグループを特定していない。
ニーチェ流に言うと、本書はあらゆる人のための、そして誰のためのものでもない1冊の書である。